本人・家族 近隣住民
サービス事業所・居宅介護支援事業所 医療機関・民生委員など
地域包括支援センターが中心となり、ネットワ ークを活用し、当該ケースの支援に関係する機 関を必要な範囲で招集して支援策を検討する。 地域包括支援センターと
関係者による情報共有と 支援
状況の変化に応じて 会議を活用
高齢者虐待ケア会議・・・・・・・
Ⅲ
高齢者虐待ケア会議での協議を踏まえ、地域包括支援センターが中心となり関係 機関と連携しながらマネジメントを行う。
虐待マネジメントの実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅳ
マネジメントの結果、支援策が達成され、高齢者や養護者の生活の安定に寄与で きたかどうか、どういう課題が残っているのかを検証する。
事後評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅴ
地域包括支援センター(虐待に関する総合相談窓口) 地区保健福祉センター(虐待に関する責任主体) ※相談を受けた場合は、両センター間で連携を図る
※色分けされた箇所が関係機関にも協力いただく部分です。 受理
Ⅰ
事実確認と対応判断 アセ メント)
Ⅱ
必
要
性
に
応
じ
て
再
ア
セ
ス
メ
ン
ト
深刻な状況、または対応が困難な場合 簡易な場合
相談を受理した場合、ケースによっては緊急性の即座の判断と、迅速な対応を 求められることもあり、受理と同時に高齢者虐待対応が開始されていることを自 覚し、臨む必要があります。相談を受ける際のポイントは次のとおりです。
高齢者虐待という相談であっても、よく聞くと違う問題であったり、相談者 が高齢者虐待と認識していなくても、虐待に結びついていたりすることがあり ます。担当者は相談者の主訴を聞き取り、そのニーズを把握します。
「いつ(When)」「どこで(Where)」「だれが(Who)」「何を(What)」「なぜ
(Why)」「どのように(How)」
相談を受ける側は、5W1Hを意識した聞き取りを心がけ、正確な情報収 集を行うように努めます。なお、聞き取りにあたっては、相談内容が他に漏 れないような面接環境を整備し、相談者が安心して相談できるように配慮す る必要があります。
さらには、相談者の表情や服装、声のトーンなどの非言語情報を基に、状 況を推測することも大切です。
相談者が本人や家族などの場合、初めて相談する時には、相談者自身が何 をどう説明してよいかわからないため、不安で緊張している場合が多く見ら れます。また、内容が、家族のことなど他人に知られたくないようなことで あることから、相談者は、なかなか話しづらい心境にあると思われます。 このような状況をよく理解し、相談者が話しやすいように配慮しながら、 こちらからの質問は最小限にして事実を確認していきます。尋問されている ような印象を相談者に与えないようにしながら、相手に共感を示す“うなず き”や“相づち”をするなどして、相談者が、「十分に話を聞いてもらえた」と 思う対応を心がけます。
受 理
Ⅰ
1 主訴の明確化
< 5W1Hを押さえることが重要 >
受付者
担当者
No. 相 談 受 付 票 年 月 日 時
氏 名 医 療
介 護
1. 必要 2. 不必要 3.不明
1. 未申請 2. 申請中 3. 要支
援 ( ) 4 . 要介護(
) 5. 自立 6. 不明
1. 利用あり (
)
2. 利用なし ( 1. 希望あり
2. 希望なし 3 . 希望不明 )
3. 不明
担当ケアマネジャー 又は事業所 (
) 1. 必要 2.
不必要 3. 不明
サービス 要介護認定 連絡先
居所 電話
男 女
明・昭・平 年 月 日 歳
生年月日 相談の当事者(本人)
方 法 種 類
1. 相談者 2. 行政 ( )
3. 居宅CM( ) 4. サービ
ス事業所 5. そ の他
1. 初回 2. 再 来 (
) 信頼 / 頼りにして
いる人: □権利擁護( 1
. 社会資源 2 . 成年後見 3
. 虐待の疑い→「 虐待の可能性」
)
□ケアマネジメン ト相談( 1. 包
括的継続的 2. 介護予防 )
□その他
1. 電話 2. FAX 3. 来
所 4. 訪問 5. その他 (
)
相談経路 相談内容 氏 名
連絡先 居所
電話
男 女 本人との関係 相談者
氏 名 連絡先
居 所 電 話
状 況
男 女 本人との関係
関与している家族等の状況
1. 身体的虐待 2.心理的虐待 3. 経済的虐待
4. 性的虐待 5.介護・世話の放棄・放任
虐待の類型
虐待の訴え〔①、
②、④が「あり」で③「生じている」がある場合
〔早急な対応。緊急保護が必要な可能性あり〕
1. なし 2.あり ( )
1. なし 2.あり ( ) 3. 不明 3. その他 ( ) 4.
虐待者は意思疎通が困難 5. 不明 1. なし 2.あり ( ) 3. その他 ( ) 4.
被虐待者は意思疎通が困難 5. 不明 ( )頭部外傷 ( )腹部外傷
( )意識混濁 ( )重度褥創 ( )重い脱水症状 ( )脱水症状の繰返
( )栄養失調 ( )全身衰弱 ( )強い自殺念慮
( )その他( ) 不明 とくにない ①虐待者からの保護
又は差し迫った訴え
④緊急を要する状況 ②被虐待者からの保護 又は差し迫った訴え ③重大な結果 生じている:
○ おそれ:
△
虐待の習慣性〔①、
②、③で「不明」以外に○がある場合
〔集中的な援助、保護が必要な可能性あり〕
1. 新旧の傷・あざ 2. 入退院の繰り返し 3.
虐待者の訴え 4.被虐待者の訴え
5. その他 ( ) 6. 不明 1. 自覚なし 2.認めたがらない 3.
援助者との接触回避 4. その他 ( ) 5.
不明 ①習慣的な暴力
②虐待者の認識
1. 不安定 2. 判断力の低下 3.非現実的な認識 4. 認知症 5. 精神障害 6. 知的障害 7.
その他 ( ) 8. 不明 1. 確認済 ( ) 2. 未確認 3.確認不可 4.
その他 ( ) その他(具体的状況など)
③虐待者の精神状態 本人の意思確認
本人の状況 虐待の可能性
1. 虐待の可能性が高い 2
. 虐待の可能性がある 3.虐待の可能性は低い 4.不明 5. 非該当
今後の対応
相談記録の作成は、そのことによって問題が整理され、客観的な視点での援 助をしやすくするほか、援助の継続性を確保する効果があります。
組織的な対応が求められる場合にも、この相談記録は重要となりますし、訴 訟問題に発展した場合には、訴訟での資料にもなります。
虐待の種類や程度(頻度や回数など) 援助が緊急性を要するかの有無
本人の氏名、年齢、住所
本人の状況(病歴、認知症の有無、介護の状態やサービス利用の有無) 虐待に関与している家族などの状況
氏名、連絡先、本人との関係
2 相談記録の作成(参考資料「相談受付票」の活用)
< 虐待事例と疑われた場合の確認すべき情報 >
虐待の状況
高齢者本人、養護者などの状況
通報者の情報
ア
ア ア
イ イ
ウ
(1)
(2)
事実確認は、相談・通報を受理後速やかに行います。
調査は、原則的に高齢者及びその家族に直接会って行いますが、家族には“自 分が虐待をしている”という認識のない場合があるため、できる限り“虐待”と いう言葉を用いることなく情報収集にあたるようにしてください。
今後、状況が悪化することのないよう、関係機関が連携した形で高齢者及び 養護者の見守り・支援を行い、在宅生活の継続を図ります。
※状況が悪化した際には、高齢者虐待ケア会議で協議します。
検討した結果、より多くの関係機関との連携が必要と判断される場合は、地 域包括支援センターが中心となり高齢者虐待ケア会議を開催します。
また、激しい殴打の痕跡や著しい衰弱などが明らかな場合は刑法などの刑罰 法令に抵触する場合(暴行、傷害、保護責任者遺棄、強制わいせつなど)があ りますので、速やかに管轄警察署へ通報します。
例)訪問の際は「地域高齢者の実態把握」などの名目を用い、高齢者・家族の様 子や会話の内容から状況を確認してください。
(参考資料「高齢者虐待チェックリスト」参照)
事実確認と対応判断
Ⅱ
1 事実確認 (原則2名以上で実施)
2 対応の判断(包括支援センターと保健福祉センター合同で検討)
家族に対し、今後、虐待をしないように説得することは、虐待防止に役立 たないばかりか、以降、当該ケースに関わるきっかけも無くしかねません。 面会時は、高齢者を介護している家族への“共感”と“評価”を基本的な 立場とします。また、高齢者本人の言葉のみで真意を把握することは難しい 面があるので、表情や声のトーンなどにも注意が必要です。たった1回だけの訪問では、すべての情報を把握することは困難な場合が 多く、プライバシーの保護に十分留意し、無理な情報収集は避けます。
< 事実確認調査の際のポイント >
【相談等で終結できるなど、対応が簡易な場合】
ア 関係者間での情報共有 イ 課題の明確化
ウ 今後の支援・介入の方針 エ 役割分担の明確化
オ 措置の検討 カ 立入調査の実施
上記の他に、虐待を受けている高齢者の生命や身体に危険があるかどうか緊 急性・保護・分離の必要性を判断してください。
※ 参考資料「リスクアセスメントシート」も併せて活用ください。
高齢者虐待ケア会議
Ⅲ
1 協議のポイント(参考資料「事例概要」の活用)
2 その他
< 緊急性・保護・分離の判断基準 >
骨折、頭蓋内出血、重症のやけどなどの深刻な身体的外傷 極端な栄養不良、脱水症状
うめき声が聞こえるなどの深刻な状況が予測される情報
器物(刃物、食器など)を使った暴力の実施もしくは脅しがあり、エスカ レートすると生命の危険性が予測される。
虐待が恒常的に行われているものの、虐待者の自覚や改善意欲が見られ ない。
虐待者の人格や生活態度の偏り及び社会不適応行動が強く、介入そのも のが困難で、改善が望めそうにない。
高齢者本人が、周囲に対して明確に保護を求めている。
虐待を理由として、本人の人格や精神状況に著しい歪みが生じている。 家族の間で、虐待の連鎖が起こり始めている。
生命が危ぶまれるような状況が確認される、若しくは予測される
虐待が恒常化しており、改善の見込みが立たない
高齢者本人が保護を求めている
ア
ア
ア
ア イ
イ
イ ウ エ
本人や家族の人格や精神状況にひずみを生じさせている、もしく はそのおそれがある
(1)
(2)
(3)
高齢者虐待ケア会議で協議の結果、早急に分離した方がよいと判断された場 合には、協力できる親族などに分離などの協力を求めます。
また、協力できる親族などがいない場合には、特別養護老人ホーム等の活用 (措置による入所・ショートステイ利用)により、虐待を受けている高齢者を一
時的に保護・分離し、安全の確保を図ります。
(参考資料「やむを得ない事由による措置活用の検討フロー」参照)
高齢者あるいはその家族などによる介入拒否がある場合は、地域包括・地区 保健福祉センター職員や民生委員など、関係機関による訪問活動を通して、支 援する姿勢を相手方に明確にし、理解してもらえるよう努めていきます。 高齢者虐待ケア会議などで、関係機関の役割分担を明確にしつつ、継続的に 状況を把握していくとともに、高齢者本人の適切な意思決定を支援するための 情報提供をしていくことも大切です。
様々な支援・関わりを試みても、高齢者あるいはその家族などによる介入拒 否が一向に解消されず、21ページの「立入調査の判断基準」に適合する場合は、 立入調査を実施します。
「高齢者虐待防止法」施行により、虐待を受けている若しくはその疑いのある 高齢者の安否確認ができず、その高齢者の生命や身体に重大な危険が生じてい ると認められる場合には、市が「立入調査」を行うことができます。(地区保健 福祉センター及び長寿介護課職員が権限有)
3 緊急性が高いと判断した場合
4 介入拒否がある場合
5 立入調査について
< 介入拒否時の対応ポイント >
訪問や声かけによる日ごろからの関係づくりを行う。 介入の名目として、他の目的を設定する。
高齢者本人や家族が困難に直面していることから対応し、思いを理解・ 受容した上で徐々に対応の幅を広げていく。
家族側のキーパーソンの発掘及び協力を得られる関係づくりを行う。 主たる支援者を見極める。
緊急性が高い場合は法的根拠(高齢者虐待防止法第 11 条)に基づき、 高齢者の保護を行う。
(1) (2) (3)
同会議を主宰している地域包括支援センターが、地区保健福祉センター 所長及び長寿介護課長への出席を求めます(出席依頼文の様式は任意で す)。
出席依頼を受けた地区保健福祉センター所長若しくは長寿介護課長が、 会議当日、やむを得ず欠席する場合には、地区保健福祉センター次長・長 寿介護課課長補佐が代理出席することとし、責任のある立場の者が必ず会 議に参加することとします(代理出席を防ぐよう、極力事前の日程調整を お願いします)。
立入調査に関しては、高齢者虐待ケア会議において実施の可否を検討し、 地区保健福祉センター所長が最終的に立入調査実施の可否決定を行います (立入調査の実施にあたっては、地区保健福祉センター職員が実施伺いの
起案を行い、その際、長寿介護課の合議をお願いします)。
< 立入調査実施の可否を検討する場合の高齢者虐待ケア会議について >
立入調査実施の判断基準
(1)
(2)
(3)
高齢者の姿が長期にわたって確認できず、また、養護者が訪問に応じない など、接近する手がかりを得ることが困難と判断されたとき。
過去に虐待歴や援助の経過があるなど、虐待の蓋然性(=可能性の確かさ) が高いにも関わらず、養護者が、訪問者に高齢者を会わせないなど、非協力 的な態度に終始しているとき。
高齢者の不自然な姿、ケガ、栄養不良、うめき声、泣き声などが目撃され たり、確認されているにも関わらず、養護者が、他者の関わりに拒否的で、 接触そのものができないとき。
入院や医療的な措置が必要な高齢者を、養護者が施設・病院から無理やり 連れ帰り、屋内に引きこもっているようなとき。
入所施設などから無理やり引き取られ、養護者による加害や高齢者の安全 が懸念されるようなとき。
養護者の言動や精神状態が不安定で、一緒にいる高齢者の安否が懸念され るような事態にあるとき。
家族全体が閉鎖的、孤立的な生活状況にあり、高齢者の生活実態の把握が 必要と判断されるようなとき。
その他、虐待の蓋然性が高いと判断されたり、高齢者の権利や福祉の観点 から問題があると推定されるにも関わらず、養護者が拒否的で、実態の把握 や高齢者の保護が困難であるとき。
ア
イ
ウ
エ
オ
カ
キ
ク
段取り等についての事前協議内容(例)
立入調査時の制約
立入調査において分離が必要ないと判断された場合
立入調査時の対応と留意点(養護者には事前には知らせません)
メンバー構成
養護者が在宅している時に行うか、不在の時に行うか
※養護者が拒否、施錠をしている場合、鍵やドアを壊して立ち入る法的根 拠はないため、適切な人物や家族の出入りの時間など、確実に室内に入 れるよう準備をしてください。
警察の援助依頼の必要性 施設への緊急保護の準備
立入調査には制約があります。家族などが立入調査を拒否し、施錠してドア を開けない場合に、鍵やドアを壊して立ち入るような強制的執行までは認めら れていません。また、事後的な制裁ではありますが、正当な理由がなく立入調 査を拒否した家族などには罰則規定(高齢者虐待防止法第 30 条:30 万円以下 の罰金)もあります。
虐待が認められても、緊急に高齢者とその家族などを分離することが適切で はない場合は、関係者の不安が立入調査で解消されたことを伝え、家族などの 心情に配慮した支援を十分に行う必要があります。
なお、緊急対応の必要がなかったとしても、虐待若しくはその疑いが高い状 況にあることを関係者は理解し、継続的に相談・支援にあたることが重要です。 立入調査時には、各自、所属する機関の身分証明書(かつ地区保健福祉セン ター及び長寿介護課職員にあっては立入調査証明書)を携帯します。
そして、立入調査現場において、相手方に対して、「今回の立入調査は法律
に基づいた行政行為であること」、「調査の目的」「調査における確認項目」、「調
査の理由」について、冷静に、誠意を持って説明します。
また、総合的に判断して、当該高齢者に保護の必要が認められれば、その家 族などと分離しなければならないことも併せて伝え、保護に踏み切ることにな ります。
なお、立入調査の実施にあたっては、調査に至る経過や実施の決定、調査状 況等の事実経過について、必ず地区保健福祉センターでまとめておきます。 (※後日、万が一訴訟に発展した場合の大切な資料にもなります)
場合によっては、高齢者本人の同意を得た上で、写真の活用も含めて記録し ておきます。
ア イ
ウ エ
警察との連携
立入調査にあたっては、家族などの妨害など、地区保健福祉センター及び長 寿介護課職員(地域包括支援センター職員など、関係機関の同行を含む)だけで は、職務を執行することが困難な場合も想定されますので、地区保健福祉セン ターにおいて、市内3警察署長(生活安全課)あてに、参考資料「高齢者虐待事 案に係る援助依頼書」を提出して、高齢者虐待防止法第 12 条に基づく援助要 請を行います。その際、必ず次の管轄警察署に電話等による事前連絡を行って ください。
立入調査は、市が主体となって行うものであり、警察署は、市を援助するこ とが役割となります。
警察署は、刑法当の刑罰法令に抵触すると認められる場合や、立入調査の妨 害などがあった場合は、所要の犯罪捜査を行います。
〜 連絡先(管轄地区センター) 〜
○ いわき中央警察署 生活安全課 ☎26-2121 ⇒平地区保健福祉センター
⇒常磐・遠野地区保健福祉センター(遠野地区を除く) ⇒内郷・好間・三和地区保健福祉センター
⇒四倉・久之浜大久地区保健福祉センター ⇒小川・川前地区保健福祉センター
○ いわき東警察署 生活安全課 ☎54-1111 ⇒小名浜地区保健福祉センター
○ いわき南警察署 生活安全課 ☎63-2141 ⇒勿来・田人地区保健福祉センター
⇒常磐・遠野地区保健福祉センター(遠野地区のみ)
(立入調査)
第 11 条 市町村長は、養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身 体に重大な危険が生じているおそれがあると認めるときは、介護保険法第 115 条の 39 第2項の規定により設置する地域包括支援センターの職員そ の他の高齢者の福祉に関する事務に従事する職員をして、当該高齢者の住 所又は居所に立入り、必要な調査又は質問をさせることができる。
2 前項の規定による立入り及び調査又は質問を行う場合においては、当該 職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、こ れを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入り及び調査又は質問を行う権限は、犯罪捜査の ために認められたものと解釈してはならない。
(警察署長に対する援助要請等)
第 12 条 市町村長は、前条第1項の規定による立入り及び調査又は質問を させようとする場合において、これらの職務の執行に際し必要があると認 めるときは、当該高齢者の住所又は居所の所在地を管轄する警察署長に対 し援助を求めることができる。
2 市町村長は、高齢者の生命又は身体の安全の確保に万全を期する観点か ら、必要に応じ適切に、前項の規定により警察署長に対し援助を求めなけ ればならない。
3 警察署長は、第1項の規定による援助の求めを受けた場合において、高 齢者の生命又は身体の安全を確保するため必要と認めるときは、速やかに、 所属の警察官に、同項(立ち入り調査、訪問)の職務の執行を援助するため に必要な警察官職務執行法(昭和 23 年法律第 136 号)その他の法令の定 めるところによる措置を講じさせるよう努めなければならない。
【立入調査などに関する根拠法令】
支援策に沿った対応を実施、その内容を判断していきます。 支援が効果的であるかを判断しながら、事後評価を行います。
高齢者虐待においては、状況の変化が起こりやすく、高齢者や養護者の思い が揺らぎやすいことから、緊急性があまりなかったケースが急変することもあ りますので、ケースワークにあたっては関係機関と情報交換などを行いなが ら、継続的、定期的なモニタリングの実施を心がけてください。
虐待マネジメントの実施
事後評価
Ⅳ
Ⅴ
1 モニタリング(参考資料「モニタリングシート」の活用)
2 留 意 点
< モニタリングのポイント >
支援策のとおり対応がとられているか。 新たな状況変化や問題が発生していないか。 高齢者や養護者のニーズや思いの変化がないか。 (1)
(2) (3)
高齢者虐待ケア会議の協議を経て決められた支援策を踏まえ、関係各機関は、 各々の役割を担いながら連携を取り、虐待マネジメントを実施していきます。 また、マネジメントと同時にモニタリングを実施してください。
虐待マネジメント、モニタリングの結果などをもとに、ケースについて事後評 価を行います。
検証するポイントは支援策の実施や残された課題、虐待者と被虐待者の関係の 変化といった内容のほか、関係機関と連携した状況なども今後の支援の参考にな ります。
基本的には高齢者虐待ケア会議出席者をメンバーとしますが、必要に応じて召 集してください。
※( )内は作成年
・「高齢者虐待への対応と養護者支援について 厚生労働省」(平成18年4月) ・「東京都高齢者虐待対応マニュアル」(平成18年4月)
・「葛飾区高齢者虐待防止計画」(平成19年4月)
・「金沢市高齢者虐待防止マニュアル」(平成18年11月) ・「長崎市高齢者虐待防止・対応マニュアル」(平成18年4月)
・「横須賀市高齢者虐待対応マニュアル(第3版)」(平成18年3月) ・「社団法人 認知症の人と家族の会 福島県支部 パンフレット・資料」 ・「社団法人 全国老人保健施設協会 パンフレット」
・「高齢者虐待防止法施行後の高齢者虐待事例への対応状況に関する調査報 告書(医療経済研究機構)」(平成19年3月)